AIは、聞かれたことに、よく答える。だから一番高くつく失敗は、下手な問いではなく——間違った問いへの、完璧な答えだ。プロンプトを磨く前に、その問いが正しいかを疑う。
- “手段の質問”と“目的の質問”を区別できる
- 自分が解決策を先に決めつけていないかに気づける
- AI自身に「私は正しい問いを立てているか」を確かめさせられる
プロンプトの磨き方は、世にあふれている。だがその手前に、見落とされがちな問いがある——「そもそも、私は正しいことを聞いているか?」。AIは、聞かれたことに忠実に答える。だから間違った問いには、完璧に間違った答えが返ってくる。
本当に欲しいのは結果Z。あなたは「Zには手段Xだ」と思いつき、Xのやり方だけを尋ねる。AIはXを丁寧に教える。だがXが遠回りだったら? 目的Zを口に出さない限り、あなたはずっと回り道を磨き続ける。これがXY問題だ。
スキャンしたPDFを1ページずつ画像に変換する方法を教えて。
紙の資料をスキャンしたPDFがあります。本当にやりたいのは、中身を読ませて要約することです。私は「画像に変換」という手段にこだわっていますが、目的に対してもっと良い方法はありますか?
着手前の、三つの自問
- 本当に欲しい“結果”は何か——手段ではなく、その先
- 私は、ある解決策を無意識に前提していないか
- 一段上がって、これは何のためか——“目的の目的”は?
この自問は、AIにそのまま手伝わせてもいい。「私はXのやり方を聞こうとしていますが、本当の目的はZです。手段の前提を疑って、もっと良い道があれば教えてください」。自分では気づけない回り道を、相手に見つけさせる。
試目的に立ち返る問い方を試す英単語を1日100個覚える方法は?
半年後の海外赴任で、英語の会議に参加できるようになりたい。今の私(聞き取りが苦手、勉強は平日30分が限界)にとって、最も効く学習の組み立てを、優先順位つきで提案して。
「この相談で、私が見落としている“本当の問い”はありますか?」。答えを急ぐ前にこれを一行足すだけで、AIはあなたの前提ごと検討してくれる。
良い答えは、磨かれた問いからではなく、正された問いから生まれる。手段に詳しくなる前に、目的に正直になる——これは料理でも、研究でも、進路選びでも変わらない、「問いを立てる力」の芯だ。